エンデュランス・ライドとは
「エンデュランス・ライド」「エンデュランス」とは「馬のマラソン競技」と言われています。
馬のスタミナ、トレーニング、健康、忍耐力を問う試練であり、馬術スポーツ界の究極の挑戦である、と定義されており、世界中で競技会が開催されている競技です。
その勝敗は人間のマラソンと同じで、早くゴールした人馬が勝ちです。

が、時間の早い遅いだけではありません。
エンデュランス競技のコースは複数の区間にわかれており、次の区間にすすめるのは各区間に設けられている獣医検査をパスした人馬のみというのが、この競技の最大の特徴です。
そして、ゴールを切るだけでなく、その後の最終インスペクション(獣医検査)に合格して初めて「完走」という結果を得られるのです。
ライダーだけでなく、クルー、チームが一致団結して馬と向かい合う事こそ醍醐味と言えるでしょう。
風光明媚な走路で景色を楽しみ、馬のコンディションを保ち、馬と語りながら「完走」を目指す、これぞ「勝利」なのです。

「To finish to win」=完走する事が勝つ事

これは世界中のエンデュランスライダーに最も知られている言葉です。
さあ、あなたもエンデュランス・ライドの世界に足を踏み入れてみませんか?


どんな競技があるの? 
エンデュランス競技には大きく3つの種目があります。
1  トレーニングライド(全国乗馬倶楽部振興協会・全乗振)非公認競技
2  日本馬術連盟(日馬連・JEF)公認競技
3  国際馬術連盟(FEI)公認競技

1→2→3の順に上位の種目となっていきます。
ここでは、それぞれの種目に設定されている距離についてお話しします。

1  トレーニングライド
20km、40km、60km等があります。
基本の騎乗スキルと規程の騎乗資格が必要です。
20kmが最初の登竜門、完走実績を以て次の距離にすすむ事ができます。
  
2  JEF公認競技
40km、60km、80km、120km等があります。
日本馬術連盟(JEF)に登録している人馬で、規定の資格を満たす必要があります。
40kmが最初の登竜門、規程の完走実績を以て次の距離にすすむ事ができます。

3  FEI公認競技(CEI = Concours d'Endurance International)
100-119km(1☆)、120-139km(2☆)、140-160km(3☆)等があります。
国際馬術連盟(FEI)に登録している人馬で、規定の資格を満たす必要があります。
100-119km(1☆)が最初の登竜門、完走実績を以て、指定された期限内で次の距離にすすむ事ができます。

エンデュランス競技のステップアップには、ライダーの騎乗スキル、競技経験の積み重ねが必要です。
どの種目にエントリーできるかは、ライダーの保有する騎乗者資格と完走実績によります。


どこでやっているの? 
エンデュランス競技では、広く展開する走路の為の土地とクルーポイント、ウォーターポイントといった規定にある設備が必要で、その準備や走路の整備には実行委員会の並々ならぬ努力があります。

日本国内で公認競技を開催している会場は5ヶ所です。(2019/8現在)

@鹿追ライディングパーク
全日本エンデュランス馬術競技選手権をはじめ、大きな大会が開催
されています。

AWILD WEST RIDERS CLUB特設会場
B鶴居村球技場を発着とする特設コース

C山梨県馬術競技場
年に3回、彩豊かな八ヶ岳の大自然に触れる
競技会が開催されています。

D伊豆ホース・カントリー特設会場
日本で唯一エンデュランス専門の走路を
私有する会場で、大会は毎月開催
されています。
国際馬術連盟公認競技(CEI)は、
全国でここでしか行われていません。


海外では? 
海外でのエンデュランス競技を見てみると、公認、非公認を問わなければ、日本のそれとは比べ物にならない程の開催があります。
ライダーの数についても同様です。

今でも諸外国では、庭で飼っている馬に乗って競技会場に現れ、スタートする人馬が少なくありません。

馬と寝食を共にし、馬と信頼関係を築き、馬に敬意と感謝の気持を持つ
馬を飼い、家族として育て、調教する
馬を自然に乗りこなし、共に大地を歩み、旅をする

「One Horse、One Man、One Day、100miles」と称されるエンデュランス競技ですが、中でも伝統的な「Tevis Cup」(アメリカ)や「Tom Quilty」(オーストラリア)といった競技会は、この精神に賛同するライダーに愛され、毎年多数の参加者で賑わい開催されています。

Tevis Cup   http://www.teviscup.org/
Tom Quilty  http://tomquilty.com.au/